テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

こんな症状ありませんか?
ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作で、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。
原因と病態
中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれています。
一般的には、年齢とともに肘の腱がいたんで起こります。病態や原因については十分にはわかっていませんが、主に短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。
- 短橈側手根伸筋:手首(手関節)を伸ばす働きをする
- 長橈側手根伸筋:手首(手関節)を伸ばす働きをする
- 短橈側手根伸筋:同様に手首を伸ばす働きをする
- 総指伸筋:指を伸ばす働きをする

診断
外来で簡単に行える疼痛を誘発する試験で診断します。
以下の3つの検査が一般です。
Thomsenテスト
検者は手首(手関節)を曲げるようにして、患者さんには肘を伸ばしたまま検者の力に抵抗して手首(手関節)を伸ばしてもらう。
Chairテスト
患者さんに肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げてもらう。
中指伸展テスト
検者が中指を上から押さえるのに抵抗して、患者さんに肘を伸ばしたまま中指を伸ばしてもらう。
予防と治療
保存療法
- 手首や指のストレッチをこまめに行います
- スポーツや手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します
- 肘の外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします
- テニス肘用のバンドを装着します(装着方法などは主治医にご相談ください)
- 衝撃波などをもちいる
保存療法が無効な場合、まれに手術療法を行うこともあります。
手術療法
筋膜切開術、切除術、前進術、肘関節鏡視下手術などがあります。
※日本整形外科学会より参照